イヤホンのエージングとはどんなもの?メリットやデメリットについて

イヤホンを購入したら先にやっておきたいのがエージングという作業です。エージングをすることによって、カタログなどで紹介されているイヤホンのスペックをそのまま体感することができるようになります。


今回はこのエージング作業の仕方や役割、作業を実施する上でのメリット・デメリットについてご紹介していきます。普段購入するより良いイヤホンを購入したのなら、万全の状態で音楽を聴きたいものです。エージングの作業をしっかりチェックして、イヤホンの持つ性能を最大限に発揮できるようにしましょう。


イヤホンのエージング作業とは?

イヤホンのエージング作業とは、最適な音を一定期間再生し続けて、イヤホン自体に経験を積ませる作業を指します。イヤホンにある振動版が一定時間振動することにより、振動版が馴染んでいきます。エージング作業を施すことによって、メーカーが紹介している通りの性能を体感できるようになります。

エージング作業について〜エージング作業の役割〜

エージングとは「加齢」という意味の「aging」から来ており、一定の音に慣らし続けてイヤホンを加齢させるという作業となります。新品のイヤホンは音を慣らす振動版がまだ馴染んでいない状態のため音が硬い印象になってしまいます。


このエージング作業の目的としては、振動版をなじませて音質を向上させることにあります。音質が著しく変化する、というものではありませんが、イヤホンが本来持っている性能を引き出すことができるので、カタログには良いと書いてあたのに重低音がいまいち、高音域がちょっと満足できないという場合はこうしたエージング作業を施してみると変化する可能性があります。

エージング作業について~作業の手順~

エージング作業の手順は至ってシンプルで、一定の音を一定時間流し続けるといったものです。後述しますが、エージングに使用するピンクノイズなどの音源を使用します。インピーダンスが小さな20オメガから30オメガ程度であれば、10時間程度流すことで完了します。スピーカーのように大きな機材であれば、1ヶ月ほどエージングを実施しますが、イヤホンはそこまで時間は掛かりません。


80オメガから130オメガといった高いインピーダンスをもつイヤホンは更に時間がかかりますので、自分のイヤホンのスペックをチェックして、どのくらい音を流す必要があるのかしっかりチェックしておきましょう。


スマホなどで行う場合、エージング専用のアプリなども配信されていますので、こうしたツールを使用するのも便利です。アプリをセットして放置するだけで完了しますので、手間をかけずにエージングが完了します。

エージング作業について〜イヤホンのエージングに使用できる音源〜

エージングに使用する音源は「ピンクノイズ」や「エージング専用音源のCD」を利用するのが一般的です。しかし、普段から聴いている音楽をより心地よく滑らかに聴くようにしたいのであれば、普段から聴いている楽曲を一定時間流し続けるだけでも十分に効果が得られます。


しかし、エージング専用の音源というのはイヤホン内部の振動板にまんべんなく作用しますので、より十分にイヤホンを慣らすことがかのうです。高音域で音が割れてしまってシャリシャリとした硬い印象も、こうしたエージング専用の音源を利用してエージングをすることで解消される場合があります。


近年ではCDを購入したりアプリを使用しなくても、YouTubeでこうした音源が公開されている場合もありますので、音源の用意が自分では難しいということなら、YouTubeなどを活用してみるのもおすすめです。


自分の普段から聴いている音楽、専用のCD、アプリ、YouTubeとさまざまな方法がありますので、使用しやすいツールを使って適切にエージングを施しましょう。

エージング作業について〜注意点〜

エージングは音量が小さすぎてもいけませんが、大音量過ぎてもイヤホンに負荷をかけてしまいます。最大音量を長時間流し続けてしまえば、イヤホンの中に備わっている振動版が壊れてしまい、故障の原因にもなりかねません。音量の目安としては、自分が普段聴いている音よりちょっと大きい程度なので、必要以上に大音量にしないように注意しましょう。


また、エージングは1日1時間から2時間程度を数日かけて行いますので、10時間程度エイジングをするからといって1日中かけっぱなしというような方法は取らないようにしましょう。イヤホンのような電子機器は必要以上の長時間の利用で機械自体に大きな負担がかかってしまい、発熱して破損する可能性があります。


音量が大きすぎ、1回のエージングに時間をかけ過ぎない、という部分に注意して、正しくエイジングをするようにしましょう。



メリット解説

出荷前のイヤホンは振動板が慣らされていない状態がほとんどです。高額なイヤホンを購入してみていても音質が悪く感じてしまうのは、この慣らし作業がされていないからなので、エージングでしっかり慣らすことでイヤホンの本領が発揮されるといったメリットがあります。


具体的にはイヤホンから聴こえる高音域、中音域、低音域それぞれのバランスが良くなったり、尖ったように聴こえていた音がなめらかになり、メーカーのカタログやホームページで紹介されている性能がそのまま体感できるようになります。

イヤホンから聴こえる音のバランスが良くなる

基本的に一般的なイヤホンは重低音がなめらかに聴こえるようになっているので、高音域音を聴いた際にシャリシャリとした音割れが発生する場合があります。エージングをすることによってこの音割れが軽減され、高音域も綺麗に聴こえるようになるのです。


さらに、エージングは振動板自体を慣らすので、中音域や低音域の音楽にも作用します。イヤホンそのものの性能が引き出され、より重厚感がありバランスの取れたサウンドに仕上がるため、全体的にまとまって音のバランスが良くなるのです。

音の尖りが軽減され、硬さがなくなる

振動板が慣らされていない状態では、硬くて尖ったような印象の音になってしまいます。全体的に音割れが出てしまったり、少し硬い状態が気になる場合も、エージングの慣らし作業を入れることによって軽減されます。前述した音のバランスがよくなることによって、こうした尖りなども軽減することが可能です。


新品のイヤホンで感じる音の違和感が気になるのでしたら、少し時間をかけてエージング作業をすることによって大きく軽減される場合があります。尖った音が気になるようでしたら、実施してみましょう。

メーカーが紹介している通りの音質が発揮できるようになる

高額で新品のイヤホンを購入したはいいものの、メーカーが紹介しているような迫力のあるサウンドを感じられない、期待していた音質とちょっと違うというのは新品のイヤホンに多いことです。普段聴く音楽で慣らしていくのも良いですが、メーカーが紹介しているような性能を追及するのであれば、エージング用の音源を使用してどの音域も綺麗にまとまるようにエージングを施すことをおすすめします。


こうして振動板を慣らすことにより、イヤホンが本来持っている性能を発揮させ、期待していたサウンドで音楽を楽しむことが可能です。出荷されている状態はまだカタログに乗っている状態のスペックで音楽を楽しむことができませんので、より深くサウンドを楽しみたいという方には重要な手順となるのです。

デメリット解説

エージングはイヤホンが持つ本来の性能を引き出すための作業ですので、大きなデメリットはありませんが、手順が手間だったり間違った方法でエージングをしてしまうとかえってイヤホンを故障させてしまったりというデメリットがあります。エージングする際は、正しい音量と時間で実施し、イヤホンに負担をかけすぎないことが重要です。


また、エージングはあくまでもイヤホンが持っている本来の性能を引き出すためのステップです。自分好みの音質にカスタムするという訳ではありませんので、エージングをしたからといって必ずしも思い通りの音になるとは限りません。それはそのイヤホンが持っている性能ですので、実施前に注意しておきましょう。

時間がかかってしまう

エージングの方法には100時間再生したままと1時間から2時間程度を1ヶ月かけて行う方法とが存在していますが、イヤホンの場合連続再生は推奨されていません。スピーカーのエージングなら再生し続ける方法が適切ですが、この方法はイヤホンに大きな負荷をかけてしまいます。


そのため、1日あたり1時間から2時間程度を繰り返し行い、1週間、長ければ1カ月程度続ける必要があります。いち早くイヤホン本来の性能を実感したいという気持ちも解りますが、どうしても時間がかかってしまいますので、この部分がデメリットに感じる場合があります。


しかし、自分の手でイヤホンを成長させるという意味では、この時間をかけてエージングをする行動自体がメリットに作用する方も居ますので、あまりデメリットと受け取らないようにしてみると良さそうです。

大音量にするとイヤホン自体に大きい負荷が

エージング行う際、音が小さいと効果がないといった注意が書かれていることがあります。だからといって最大音量を1時間、2時間とかけ続けるのはそれはそれでイヤホンに大きな負荷をかけてしまいます。振動板が必要以上に大きく振動し続ける状態が長時間継続されますので、最悪破損してしまうからです。


とくにYouTubeやアプリなど、一旦自分でも音を聴いてみないとイヤホン自体の音量を下げていてももともとの音量が大きいということもあります。こうした音源を使用する際は、一度聴いてみて普段聴いている音よりもちょっと大きいくらいに調整するようにしましょう。


イヤホンも精密機械ですので、大きな負荷をかけてしまえば当然故障や破損の原因になります。最大音量で長時間はその顕著な例ですが、他似も必要以上に長時間音楽をかけ続けるなども注意が必要です。方法を間違えてしまうとイヤホンを壊しかねないのは、エージングのデメリットともいえます。

エージングの結果、好みの音質でなくなる可能性もある

あまり大きなデメリットではないのですが、可能性の一つとしてあるデメリットが音質が変わることによって好みでなくなるという部分です。しかし、この場合エージングによってイヤホン本来の音質が再現されているだけなので、購入したイヤホンそのものと相性が悪かった可能性が高いです。正しい方法でエージングを施し、しっかり慣らした状態にしたことで、イヤホン本来のスペックで聴いた結果あまり好みではないことが発覚した状態です。


また、慣らす前の尖りがある状態や硬さが好き、という方の場合は、エージングによって硬さが取れた事により物足りなさを感じる場合もあります。こうしたパターンはそれほど多くはありませんが、エージング作業で音が変わることによって起こりうるデメリットです。


さらに間違ったエージング作業によってイヤホン自体が壊れてしまい、音が悪くなってしまうという事態も音が変わってしまう原因ですので注意が必要です。エージング作業はイヤホンが持つ本来の性能を引き出すための作業ですので、誤って破損させてしまっては作業の意味がなくなってしまいます。

総評

イヤホンのエージングとは、イヤホンが本来持っているスペックを引き出すために大切な作業です。オーディオ機器に詳しい方なら当たり前にやっていることですが、あまり詳しくないと新品を購入したときに何故イヤホンに違和感があるのか気が付かず、本来の性能で聴かずに「満足できなかった」と感じてしまう可能性があります。


もちろんイヤホンによってはエージング作業をする前から非常に音質が良い物もあり、エージング作業をしなくても満足してしまうかもしれません。しかし、せっかく予算を多めに見積もって購入したイヤホンなのならそのイヤホンが持っている性能をしっかりと発揮したいものです。エージングの方法やメリットを覚えて、購入したイヤホンを最大限使いこなせるようになりましょう。